大学選手権の大会方式変更が、3月26日、日本ラグビー協会から発表された。
日本協会のプレスリリースでは、変更の主旨を
「今回の変更は、各出場校の試合数の増加、また、実力の接近した大学同士の試合を増やすことで、大学ラグビーの強化をはかるために、決定いたしました」と説明している。
今回の変更案には、いくつもの「おや?」と思わせる要素がある。今回の改革に携わった協会スタッフに話を聞くと、変更の狙いが浮かび上がってきた。
そもそも、大学選手権の出場16校を4組に分け、各組上位2チームが決勝トーナメントに進む「W杯方式」待望論は根強くあった。これまでなら1回戦で負けていたチームも、最低3試合を経験できる。試合経験を増やすことは、選手の育成においてプラス材料だ。
しかし、今回の改革は、それにとどまらなかった。
勝ち点制と、各リーグの「アドバンテージポイント」の導入
ひとつは、これまで大学の試合では採用されなかったトライ数などによるボーナス点を含む勝ち点制の導入だ。
「1試合4トライ」と「7点差以内の負け」にボーナスポイントを与えるルールは、1996年のスーパー12誕生と同時に採用された。前年にアマチュア規定を撤廃し、ラグビーがプロ化に踏み出した象徴的なルール。これは同年に始まったトライネーションズにも採用され、2003年には日本のトップリーグ、さらにW杯のプール戦にも採用され、世界的な流れとなっていった。今回の大学選手権では、勝ちの勝ち点を「4」から「5」に増やしたという違いはあるものの、ボーナス点の規定も含めて、骨格は同じだ。
もうひとつ、目新しいのは、各所属リーグでの順位によるポイントが、4組に分かれてのプール戦(セカンドステージ)に加算される「アドバンテージポイント」だ。対抗戦、リーグ戦、関西大学リーグという、3大リーグでの順位が、あらかじめ「持ち点」となるのだ。